先日の続きです。
ドイツ人の総料理長が、僕のところへやって来て、
総料理長:You? Japanese who can make cake?(君か?ケーキを作れる日本人は?)
僕:Yes! I can make it.(はい!僕は作ることができます)
総料理長:Then, at 12 o’clock the day after tomorrow, come to the pastry because it’s good.(では明後日12時に、その恰好でいいからペストリーに来なさい。)
僕:Yes. understood.(はい。わかりました。)
と言い残し、総料理長は立ち去って行った。
このチャンスを絶対に生かさなければ後はない。
とそう思いながら、
かなりの気合を入れ、
日本食のスタッフからも応援されたのだった。
そして運命の時が来た。
ペストリーには、ドイツ人のヘッドシェフ、キウイ(地元ニュージーランド人)4名が働いていた。
ひとりひとり紹介され、僕は名前すらも聞き取れなかったが、
なんとか、みんなの顔と名前を把握していった。
そして初日に、よく誕生日の時に名前を書いたりするやつで、
搾り袋の先を細くして、『文字を書いてみろ』と言われ、
自分の名前を書いたのだった。
これぐらいは、日本でお菓子屋をしている時に毎日と言っていいほど
やっていた作業だったので、全然大丈夫だった。
そして次に言われたのが、
ケーキの台を生クリームで塗る事を言われ、
これもまた、毎日のようにやっていた事なので、
すんなりとやってのけたのだった。
この時点で、どれぐらいの技術を持っているのかを試され、
ドイツ人のヘッドシェフは総料理長に逢いに行くといって、
そのまま、逢いに行ったのだった。
そして後日、総料理長から、
congratulations. I decided to adopt you in the pastry. Good luck.(おめでとう!君をペストリーで採用することになった。頑張ってくれよ。)
またひとつ、夢がかなった瞬間だった。
5スターホテルのペストリーで働けることが、本当に嬉しかった。
今までやってきたことは無駄ではなかった。
ふと日本に居る両親のことを思い出した。
あの父が居なかったら、今の僕はいない。
生まれて初めてだったかもしれないが、
父への感謝の気持ちが湧いてきたのだった。
しかし険しい道のりはここからだった。
僕は英語が全くダメで、
スタッフとのコミュニケーションもろくにできなかったのだ。
なので、僕は、地元ニュージーランド人の女の子、
『マラちゃん』と休み時間にしょっちゅう、
会話をしながら英語を覚えていった。
恋心はまったくなかったが、
本当に僕の事を思ってくれて、
何度も助けてもらったのだ。
そして何か月か経ち、
僕はスタッフとの英語での会話がスムーズにできるようになり、
何の心配もなく、スタッフの中へ打ち解けることができていったのだった。
そして『マラちゃん』も彼氏と結婚し、
仕事もプライベートも充実した日々を送っていたのだった・・・のだが・・・・・。
~~~~~~~~~つづく~~~~~~~~~
PS,
このホテルは世界の有名人が泊まることでも有名で、
僕が働いていたころでも、
マイケルジャクソン、マドンナ、千代の富士、
五木ひろし、スティービーワンダー、
ライオネルリッチー、シンディーローバーなど、
たくさんの方々が利用していたし、
僕も有名人がプライベートで来ていてこのホテルで生で見たことも多々あった。
※この『パートナーシップ』のお話は、伊藤ヒロの実話を元に書いております。
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